バリ人民闘争記念碑(バジュラサンディ)
バリ人民闘争記念碑(Monumen Perjuangan Rakyat Bali)は、デンパサール市の官公庁街レノン地区にある、バリ島民の闘争の魂を記念して造られた記念塔です。
この記念塔の正式な名前は「バリ人民闘争記念碑」ですが、一般には「バジュラサンディ(Bajra Santhi Monument)」と言われています。バジュラサンディとは、マンクー(お坊さん)がお祈りの時に使うベル(Bajra あるいは Genta)のことで、塔の形がこのバジュラに似ているから、そのような名前になったそうです。(文献によっては、バジュラサンティやバジェラサンディと表記しているものもあります)
この記念碑は、1987年に建造され、2003年6月14日にメガワティ大統領(当時)によってオープンしました。
塔の内部には、有史以来のバリ島の戦いを解説したジオラマの展示物があり、また塔の中ほどに作られた展望室からは、デンパサール市が一望できる観光スポットとなっています。
あまりガイドブックなどでは紹介されていない、穴場的な観光スポットですが、静かなバリ島の激しい一面を見られる場所ですので、時間があればぜひお立ち寄りください。
このバジュラサンディがある場所は、レノン・ププタン・マルガラナ広場(Lapangan Puputan Margarana Renon)といい、インドネシア独立戦争を記念した広場です。特に、1946年11月20日に発生した、ププタン・マルガラナ事件でププタン(玉砕)したバリ島の英雄イ・グスティ・ングラ・ライ将軍(中佐)をはじめとした人民治安軍の闘争を称えています。
芝生の広がる広場は、大変美しく、イベントもよく行われ、デンパサール市民の憩いの場となっています。
また、この広場から西に2Kmほど行った場所にも「ププタン広場」と呼ばれる公園があります。そちらは「バドゥン・ププタン広場(Lapangan Puputan Badung)」という名前で、時々混同してしまいますので、タクシーなどでこの記念碑に向かわれる場合は「バジュラサンディ」と指示したほうがいいでしょう。
※ププタンについて
バリの人々は、日本人に近い滅びの美学的なものを持っているといわれています。 古くから、戦において絶望的な状況になった場合、投降より玉砕を選ぶところがあり、これをププタンと呼んでいます。
昔、インドネシアを支配下に置こうとオランダ軍が攻め込んできたとき、圧倒的な戦力差の前にバリ島の王家は最後まで投降せずに、玉砕していきました。
また、1946年インドネシア独立闘争において、マルガで起きたングラライ将軍率いる人民治安軍とオランダ軍の戦いで、無条件降伏を迫ったオランダ軍に対し「自由(独立)か死か(Merdeka atau mati)」と徹底抗戦を選んだ人民治安軍もおなじくププタンとして、多くの人の記憶に残り、ングラライ将軍の名前はデンパサール空港やバイパスに使われています。
基本情報
施設名 | バリ人民闘争記念碑 |
入場料 | 大人Rp10,000 子供Rp5,000 |
開館時間 | 月~金曜日/08:00-16:30 土日/08:30-16:30 |
休館日 | インドネシア及びバリ州の祝日 |
マップ
ご案内&フォト
公園内はきれいに整備され、市民の憩いの場となっています
公園のほぼ中央に、記念碑(バジュラサンディ)があります
記念碑入り口手前に入場チケット売り場があります
記念碑入場口。入り口でチケットのチェックがあります
入り口ホールに、マルガの戦いを描いた絵が飾ってあります。インドネシア国旗を持った方が、ングラライ将軍。
塔の一階部分はコイが泳ぐ池になっています。
二階にはバリ島の戦いの歴史を描いたジオラマが展示されています。
王国同士の戦いを描いたジオラマ
オランダ軍の侵攻と、それに抵抗するバリ島民
王家のププタンを描いたジオラマ
塔の中心にあるらせん階段を上ると、展望室に行けます。展望室からは360°デンパサール市を見渡すことが出来ます
天気が良ければ、霊峰アグン山やバトゥル山を見ることが出来るそうです。
