プナタランサシ寺院
プナタランサシ寺院(Pura Penataran Sasih)寺院は、ウブドの北東ペジェン村にある寺院で、バリ島6大寺院の一つに数えられる由緒正しい寺院です。ただし、他の寺院のように建立者や建立された正確な時期ははっきりしていない、いまだに謎が多い寺院でもあります。
この寺院は、「ペジェンの月」と言われる伝説(*)にまつわる大きな銅鼓が祀られている事で有名です
この銅鼓は紀元前3世紀頃のものとされ、東南アジアの青銅器時代を代表する遺物です。銅鼓の直径は160cm、高さは186cmと大きなもので、青銅製の銅鼓としては世界最大で、歴史的にも非常に重要なものです。
ただ、なぜこのような銅鼓がここにあるのかも、分かっておりません。
多くのバリ島の寺院は210日周期のウク暦というバリヒンドゥー独特の暦に従って、お祭り(オダラン)などの宗教行事を行います。しかし、このプナタランサシ寺院は太陰暦を基にしたサカ暦に従って宗教行事を行っております。この寺院のようにサカ暦に従って宗教行事を行う寺院は他にもゴアガジャ遺跡やティルタエンプル寺院など、ペジェン村周辺に多くあり、このエリアが、ジャワヒンドゥー教文化が完全に定着する16世紀以前から栄えていた土地である事を物語っております。
プナタランサシ寺院は、ウブドからタンパクシリンを結ぶ重要な街道沿いに立っています。道路を挟んで寺院の向かいには、ひろい石畳が引かれた広場が広がっていますが、この広場は昼間は寺院を訪れる観光客の駐車場となりますが、朝、夕には市場(パサール)が立ち、地元住民が数多く集まります。特に、夕方に立つパサール・センゴール(ナイトマーケット)には、多くの古着や衣料品を扱う商人が集まり、ウブドエリアやタンパクシリンからも、安い服を求めて多くの人が集まります。
(*)ペジェンの月の伝説
昔、バリ島の夜空には13個の月が輝いていました。ある日、そのうちの1個が落ちてきて、ヤシの木の上に引っかかってしまいました。ヤシの木の上の月は大変明るく、夜中でも真昼のようにあたりを照らしていました。
そうなると、困ったのが泥棒さんです。夜になっても昼間のように明るいので、商売あがったり。そこで、一人の泥棒さんが、ヤシの木に登り、落ちてきた月におしっこを掛けました。おしっこで急に冷やされた月は大爆発をして、その泥棒さんは即死、月は地上に落ちてしまいました。地上に落ちた月は「ペジェンの月」と呼ばれ、プラタナンサシ寺院に大切に安置されたのです。いまでも、ペジェンの月の裏面には穴が開いていますがこれは、泥棒さんが掛けたおしっこで爆発したときに出来た穴だそうです。
ちなみに、プラタナンサシ寺院のサシ(sasih)とは、古いバリの言葉で「月」を意味します。
基本情報
施設名 | プナタランサシ寺院 |
入場料 | 寄付(ドネーション)のみ、Rp10,000~Rp20,000程度 |
アクセス | 公共交通機関はございません。カーチャーターやタクシーなどをご利用ください。 クタエリアから、車でおよそ1.5時間、ウブドエリアから20分 |
開館時間 | 朝9:00~夕方17:00 |
休館日 | ニュピ・宗教行事がある場合は、入場が制限されることがございます。 |
その他 | 短パンや短いスカートの方は、サロン着用が義務付けられています。(レンタルあり) また、タンクトップなど肌の露出が多い服装はご遠慮ください。 |
マップ
ご案内&フォト
プナタランサシ寺院の入口。大きな看板がありますから、見落とすことはないでしょう。
寺院前の道は、交通量の多い街道です。道路横断は気をつけて!
石畳の駐車場は朝夕は市場となります。駐車場を取り囲むように、ワルンや商店が並んでいますが、日中は数店しか開いていません。
寺院の入口には、大きな象の石像があります。
入口をはいると、すぐに受付があります。ここで、記帳とドネーション(寄付)を払います。また、無料でサロンを貸してくれます。
前庭の突き当りには、境内に入るための割れ門があります。
割れ門の手前には、星の形をした小さな池があります。ペジェンの月の伝説に基づいているのでしょうか?
境内は、手入れされた芝生が広がり、幾つものバレ(東屋)がありました。
こちらのバレには、ヒンドゥー3神の一つ、ヴィシュヌ神の石像が祀られています。
こちらのバレにはブラフマ神の石像が祀られています。
こちらのバレにはシヴァ神が祀られています。
こちらに安置されているのが、世界最大の銅鼓、通称ペジェンの月です。紀元前3世紀のものとされ、歴史的に大変貴重なものです。
銅鼓が安置されている境内の隣にも、寺院の境内がありました。
こちらの祠には、ヴィシュヌ、ブラフマ、シヴァの3神が祀られていました。
シヴァ神を表現した見事なレリーフです。
見事な装飾のされたバレの柱の上にはガルーダ神の像がありました。
