グヌンカウィ・スバトゥ寺院
グヌンカウィ・スバトゥ寺院(Pura Gunung Kawi Sebatu)は、棚田で有名なテガラランの北、スバトゥ村にある寺院です。濃い緑の木々に囲まれた寺院の内部には、沢山のコイが泳ぐ池や、沐浴場、綺麗な水が沸く泉などがあり、大変静かで心落ち着くスポットです。
この寺院は、メインの街道から少し離れたところにあり、また近くにティルタエンプル寺院など有名な観光スポットが多くあるため、あまり観光客には知られておらず、普通の日はひっそりとして静かな穴場スポットでもあります。
この寺院にはインドラ神とマヤデナワ王にまつわる神話があります。
10世紀ごろのお話です。ワルマデワ王国のマヤデナワ王は暴君であり、無神論者でした。王の悪政に苦しむ民衆を哀れに思った神はインドラ神を地上に遣わし、マヤデナワ王を成敗しようとしました。
タンパクシリン村で行われたインドラ神との戦いに敗れたマヤデナワ王はこのスバトゥ村に逃げてきました。
王の姿におびえ、山に逃げ込んだ村人たちには、食料も水もありません。そんな村人たちを不憫に思った、ヒンドゥー3大神のひとりで、水をつかさどるヴィシュヌ神は、湧水を施しました。
マヤデナワ王は最後にインドラ神に敗れ、死んでしまうのですが、スバトゥ村の人々は、救世主であるヴィシュヌ神のために、祠を建てました。それが、今のグヌンカウィ・スバトゥ寺院なのです。
今でもこの寺院で、お祭りの時などには多くの人が泉の水で沐浴をします。
しかし、この寺院から車で5分ほ山に入った所には、清らかな水が流れる滝があり、毎日多くの人々がムルカット(禊ぎ)をするために、訪れています。その滝は、健康な人が禊ぎをしても何も起こらないが、体に悪いところがある人、悪いものが付いている人が禊ぎをすると、体から血が流れたり、足元から泡が出ると言われています。
この、滝は、神聖な場所なので、禊ぎをするときはチャナンやお線香を持ち、バリ島の伝統衣装を着ていかなくてはいけません。ルール、マナーを守れば外国人でも滝で禊ぎをする事は可能です。
※近くには「グヌン・カウィ」という遺跡がありますが、その遺跡と、この「グヌンカウィ・スバトゥ寺院」は、何の関係もありません。
基本情報
施設名 | グヌンカウィ・スバトゥ寺院 |
入場料 | 大人 Rp15,000 子供 Rp7,500 (2012年3月現在) |
アクセス | 公共交通機関はございません。カーチャーターやタクシーなどをご利用ください。 クタエリアから、車でおよそ2時間、ウブドエリアから30分 |
開館時間 | 朝9:00~夕方17:00 |
休館日 | ニュピ・宗教行事がある場合は、入場が制限されることがございます。 |
その他 | 寺院の奥境内には、観光客は立ち入る事はできません。 入場に際してサロン、スレンダンの着用が必要ですが、無料貸し出しがあります。また、タンクトップなど肌の露出が多い服装はご遠慮ください。 |
マップ
ご案内&フォト
寺院の前には、広い駐車場や、ワルン(食堂・売店)があります
こちらで、入場料を支払い、サロン(腰布)とスレンダン(腰ひも)を貸して貰います
寺院は、道路よりちょっと下がった所にあります
階段を下ると、綺麗に手入れされた外境内(ジャバン)に出ます
外境内には美しい池があり、沢山の魚(コイ)が泳いでいました
池の中のバレ(東屋)は、涼しそうで、憩いの場になっています
外境内の隅には、沐浴場がありますが、普段は使っていないそうです
外境内の突き当りには、中境内に通じる割れ門があります。この割れ門は邪悪なものが通ろうとすると閉じてしまうと言われています
割れ門をくぐると、すぐにこのような壁があります。これも、邪悪なものは直進しかできないということから、魔よけの意味があるのです
中境内にはバレが並んでおり、奥には奥境内があります。
階段の上がバレやメル(多重塔)が並ぶ奥境内ですが、普段は入る事はできません
中境内のすみには、綺麗な水の沸く泉があります。泉の中にある祠がこの寺院の基になった祠です。
外境内の隅には、日常的に使われる沐浴場がありました。なかは、男女に分かれています。
天気がよく、暑かった取材日、沐浴場は子供たちの水遊び場になっていました
寺院から車で5分くらい移動し、このような山道を少し歩くと、禊ぎの滝に行けます。
ここから、およそ300mほど階段を下った所に、禊ぎの滝がありますが、正装を用意していなかったので取材はできませんでした。
